Q&A

2019.04.11更新

親不知は「抜くのが大変」「凄く腫れる」というイメージが一般に浸透してしまっているため、痛みの原因が「これだ!」と分かっていても、なかなか抜歯に踏み切れない方は多いと思います。

どうにか抜く以外の方法があれば・・・というのも、理解できます。

もしも同じ立場であれば、きっと僕も最初は同じことを考えてしまうと思います。

ですが、親不知を抜いた後に酷く腫れたり、痛みが何週間も続くようなケースは、実は、どちらかというと少ないケースで、そういうのは主に「抜くのに1時間かかった」とか「とても深く埋まっていて骨を削って抜いた」とか、負担が大きい抜歯の後に起こる事が多いです。だいたいは、親不知でも抜歯にかかる時間も数分~十数分程度で、抜いた後も「痛み止めも使わなくて大丈夫だった」「噛むと鈍痛はあるけど、そんなでもない」とホッとされる方が多いです。


これは交通事故など、なにか大きな出来事が起こったときにニュースになるのと同じで、「親不知を抜いたけど全然大丈夫だった」という感想よりも、「痛かった」「腫れた」といった経験をされた方のマイナスの感想の方が周囲に伝わりやすく、定着もしやすいんです。なので、一般に「親不知=抜くと腫れる」という話題が広まる事になってしまいます。「今日は交通事故はありませんでした」なんてニュースは聞いた事ありませんよね?

さて、親不知は位置や生える方向・生え具合によりけりですが、基本的に
「完全に骨の中に埋まっていて、感染の可能性がない」

というケースか、
「真っ直ぐ生えていて、かみ合わせに問題がない」

且つ、「しっかり歯茎から顔を出していて、自分で十分に掃除が出来る」

といった事が、長期的にみて親不知を抜かなくても大丈夫な条件だと僕は考えます。親不知に対するリスクの考え方は先生によって少々変わってくると思いますが、上の条件をしっかり満たしていない限り・・・例えば「斜めに生えていて、手前の歯にぶつかっている」「生えているけど、歯茎が半分のっかっていて汚れがつまる」「全部生えているけど、歯ブラシが届かなくて虫歯になっている」こう言ったケースは多いですね。これらの場合、いずれ「歯茎が腫れる」「他の歯を巻き込んで虫歯になる」といった問題は起こしてくる可能性があると考えて頂いた方がいいと思います。

なんとか抜歯を避けたい気持ちもわかりますが、あまり悪化しないうちに歯科を受診される事をお勧めします。放っておくと、どんどん抜くのも大変になっていきますからお早めの相談をおすすめしております。

投稿者: 関原歯科医院